New material

今期、定番のお財布やバッグの素材を一新しました。
以前のタイプよりもシボの凹凸感が際立ち
一層シュリンクが強くなりました。
触り心地はなんとも不思議で柔らかさの中に弾力があり適度に張りもあります。
傷などには強く、最初はマットな風合いですが、徐々に艶が上がってきます。
退色性もあり、色の変化はさほどありませんので綺麗な感じを保つ事が出来そうです。
カラー展開は、人気のベージュ、ブラック、ネイビーの3色です。
今まではエッジの部分は裁ちっぱなしでしたが、今回は処理を施してあります。
SLCのバッグや小物の大半は一枚革で裏地の無い作りになってます。
理由は単純にその方が好きだからです。
革の質感を一番ダイレクトに伝えるにはこの方法が良いと思ってます。(例外も多々あります)
しかし、裏地を貼らずの一枚革での仕立てには大きな壁があります。
それは、一切隠せない、誤魔化せ無いという事。
天然素材が相手ですから、傷もあれば繊維の向きや厚み、などなど…
挙げだしらキリがありません。
素材の個体差にもよりますが、使用できるのは全体の50%あれば良い方。
裏地で隠せないという事だけで、芯材などで誤魔化しも効きません。
(必要と判断した箇所には仕込んでます)
でも、何故か魅力を感じる一枚革仕立て。
思い返せば、昔から憧れた某ハイブランドからリリースされている一枚革のバッグに魅力を感じたのが何より大きいのかも。
ウールのコートとかも裏地無しの分厚い物が好み。重いけど…
素材そのもので勝負をするという事は、
素材が持つポテンシャルが全体のクオリティに直結します。
高い革だから良いという訳でも無く。
理想でいうのならば、品があって、適度な厚みと(2.5mm 前後)コシと柔らかさを兼ね備え、重過ぎず、退色に強く
仕立てやすく、取り都合が良く、カラーバリエーションが茶系ばかりでなく、価格も手頃*(ds¥100以下、質がよければMAX¥150まで)で安定して仕入れが出来る。
タンニンがやや多目のセミクローム革。
とにかく絶対使われる事が無いであろう、端のビラビラした部分はせめてトリミングしておいて欲しい…予め。
すみません、理想を書き出したら止まらなくなりそうです。
*ds 革の大きさの単位の事、10cm×10cmの大きさ
仕入れ初め暫く使い続けてみないと本質が見えてきません。
ですから質感や色味のブレにより、仕立てに無理を感じたら使用を辞めます。
原材料そのもののブレがありますから、暫くは買い続けます、戻る事も期待して。
しかし!?と感じたらまず自分を誤魔化せない。そしてお客様に説明のしようがない。
そんなこんなで、今期からまた定番素材難民です。
今回の素材、今のところは良い◎
仕入れ初めてから間もないので
今後定番素材となりえるかは未定ですが
暫く使ってみようと思います。